毎年秋になると、スーパーには秋鮭とともに、味の付いていない筋子が並ぶようになります。
もちろんこれはそのまま食べるものではなく、それぞれの家庭で「いくらの醤油漬け」を作るためのものとして販売されているものです。
昨年は、あまりの高さに手を出せませんでしたが、今年は何とか射程範囲内…
ということで、娘の大好物のいくらしょうゆ漬けを作ったので、レポートしたいと思います。
[st-cmemo fontawesome=”st-svg-bigginer_l” iconcolor=”#9CCC65″ bgcolor=”#F1F8E9″ color=”#000000″ iconsize=””]2019年9月1日追記:今年のいくら醤油漬けを作り終えて、もうちょっとわかりやすくできればなと思った箇所など追記、修正しました。[/st-cmemo]
北海道では比較的多くの家庭でいくらの醤油漬けがつくられている
道外の方とお話しするととても驚かれるのですが、北海道ではいくらの醤油漬けはわりと多くの家庭で一般的に作られているものだったりするんです。
北海道の郷土の味。
最近では通販などで冷凍いくらしょうゆ漬けなどが簡単に手に入るようにもなりましたが、やっぱりつくりたて新鮮ないくらしょうゆ漬けが一番おいしいと思っています。
味付けに使う調味料によっても風味や味わいが変わってくるため、それぞれの家庭で違った味付けのいくらしょうゆ漬けが作られていたりもするんですね。
私が幼いころは、鮭釣りが解禁になるとともに釣好きの親戚が子持ちの鮭をおすそわけしてくれたりすることが多く、鮭をいただくと母はすぐにさばいていくらの醤油漬けを作ってくれていました。
毎年のようにその季節になるのを楽しみにしていた記憶があります。
今でこそ、いくらはスーパーで購入することが主になってしまいましたが、今でも鮭釣り解禁になると喜び勇んで釣りへと出かける人は少なくないんですよ^^
ただし、北海道ではサケはいつでもどこでも釣っていいというわけではありません。サケ釣りに関しては厳しいルールがあるのでご注意を。
[st-card-ex url=”http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/ggk/ggs/turi-r-m/rule-manner.htm” target=”_blank” rel=”nofollow” label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=”続きを見る”]
家庭でのいくら醤油漬けのつくりかた
というわけでさっそくいくらの醤油漬けづくりを開始しましょう。
いくらは鮮度が大事です。
時間がたつとつぶれやすくなってしまうため、購入してきたらすぐに冷蔵庫で保存をするか、すぐに調理してしまいましょう。
準備しておくもの
- 保存容器(密閉できるものがベスト)
- 調理用ボウル2つ~3つ
- 塩(適量)
- 生筋子(好きなだけ)
- 醤油
- 酒(清酒)
- みりん
- お湯(40℃程度)
- 水かぬるま湯(ごみをよけるために使う)
※調味料の分量や割合は後ほど
生筋子
今回は、スーパーで生筋子を2腹買ってきました。
9月頭に購入した初物なので、結構値段は高いです…が、昨年はもっと高くてさすがに手が出せませんでした。
[st-cmemo fontawesome=”fa-exclamation-circle” iconcolor=”#ef5350″ bgcolor=”#ffebee” color=”#000000″ iconsize=””]2019年の出だしは100gあたり500円くらいでした。[/st-cmemo]
もう少ししたら値段は低くなってくるかと思いますが、11月近くになると皮が固いものが多く出てくるようになるので、できれば10月中ごろまでに手に入るもので作りたいところですね。
粒はやや大きめで、あまりつぶれていないものを見つけて買うようにしましょう。
パックの中に汁や血合いが出すぎているものなども、生臭さにつながるので避けたほうがよさそうです。
保存容器
調味液にイクラを漬け込む必要がありますので、液がこぼれないよう、ふたが密閉できるような保存容器がベストです。
保存容器は雑菌の繁殖を防ぐため、煮沸消毒をしておくと安心です。
うちではこんな容器を使っています。
右はごく普通のタッパーで、調味料をいくらに漬け込む際に使います。
左はそのあと小分けにして保存しておくために使う容器ですね。
大体、いつも1腹使うと左のタッパー(473ml)1杯くらいになります。(思っているほどたくさん作れないよね。)
なので、今回は2腹分で計算して2つ用意しました。
ふたがくるくるとまわせて、しっかりと密閉できるスクリューロックタイプです。
ジップロックから出ているスクリューロックの保存容器は、汁がこぼれないので重宝しています。
作った後はこれに保存して、食べる際そのまま食卓に出します(笑)
調理用ボウル
調理用のボウルは、最低でも2つあると便利です。
ひとつは水切りなしでもOKですが大きめのものが理想。
もうひとつはザルとセットになっているタイプのもののほうがいいかなと思います。
水切りがある方でいくらをほぐします。
大きめのボウルは、ほぐしたいくらのボウルに足し湯をしながらごみを取り除くのに使うお湯を
ひとつのボウルには、お湯に塩を溶かしておきます。(海水くらいの濃度がベストです)この水は、いくらをすすいで汚れを取るために使いますので、作業中ばたばたするのが嫌な方は複数用意しておくと安心です。
もうひとつは、イクラをばらす際に使います。手を入れられるくらいの熱さのお湯(ほぐす際の温度は40℃くらいが目安です)を張り、こちらも塩を溶かしておきましょう。
どんな調味料を使うの?
今年使った調味料はこちら。
酒は料理酒ではなく清酒を使うようにするのがポイントです。
料理用には塩分も含まれてるので、味付けがうまくいかない場合もあります。それに、料理用のお酒を使うと、なんとなく苦みのようなものが出るように思います。
おいしいいいお酒を使ったほうがおいしくできるのですが、相性がわからないため、結局安くて無難なワンカップ大関に落ち着いてます(笑)
もし、ご自宅に清酒が余っているというかたは、一度煮切ってみて、苦みやえぐみが出ないものであれば使ってOKだと思います。いろいろ試してみるのもいいですね。
あ、あとみりんも「みりん風」ではなく本みりんでね。
それから醤油なのですが、今回は夫のお母さんから頂いただし醤油が大量にあったので、こちらを使いました。
かつお、さば、昆布のだしが、いくらとも相性よくおいしくできました♪
地元佐藤水産の鮭醤油なんかもおいしいそうですよ。
なければ普通のお醤油でOK。
調味料の配合
いくらのしょうゆ漬けは、調味料として使うしょうゆやお酒、その配合具合によって味が異なります。
それぞれの家庭でも割合なども変わるため、その家庭の味を受け継いだり、毎年工夫したりしながら作っているというおうちもあるようです。
我が家では
醤油5:酒2:みりん1
くらいの割合でいつも作っています。
ひと腹あたりだと以下の分量で良いかなと思います。
- 醤油 100cc
- 清酒 40cc
- みりん 20cc
使うしょうゆによっても味は違ってきますが、みりんを入れることによってややまろみのある感じにしあがりますので、お子さんのいる家庭向きの味かなと思います。
だし醤油などを使う場合には濃くなりがちなので、水をプラスしたりもします。
醤油5:酒2:みりん1:水1
醤油6:酒2:みりん2で作る家庭が多いと聞きますが、個人的にはしょっぱくなるような気がします。
うちではまず上記の割合で作ってみて、もし薄いようであればしょうゆを足すというような方法を取っています。
初心者さんなら、この割合だと失敗しにくいのかな?と思います。
いくらしょうゆ漬けをおいしくつくる方法
いくら醤油漬けのレシピは簡単にまとめると以下の通り。
- 調味料のアルコールを飛ばして冷ましておく
- 生筋子をお湯につけてほぐす
- すすぎながら血合いや皮などのごみを取り除く
- 5分ほど水切り
- 調味料に漬け込む
- 2~3時間でできあがり
ざっくりと上記のような流れです。
簡単といえば簡単ですが、初めてだといまいちイメージできないですよね。
というわけで、もう少し詳しく、画像を交えながら説明しますね。
酒やみりんは煮切って冷ましておく
大人しか食べないというのであれば調味料はそのまま使って構いませんが、子どもも食べる場合はアルコールを飛ばしておいたほうがいいと思います。
使う分量の酒とみりんを小鍋などに入れて火にかけて一度沸騰させて煮切ればOK。
火を弱めて醤油を加えて2~3分ほど煮つめ、そのまま冷ましておきましょう。
いくらをほぐすためのお湯を用意
ボウルに55℃程度のお湯を用意して、塩を溶かしておきます。
お湯2ℓに対して小さじ一杯くらいの塩が目安ですが、適当で大丈夫です。
生筋子が冷えた状態だと入れたときに温度が下がるので、その場合はもう少し熱めのお湯を使うか足し湯をしながら使うと良いと思います。
筋子を入れてほぐすときに、お湯の温度が40℃~45℃程度になるようにするのがベストですね。
生筋子を湯につけてほぐす
塩を溶かしたお湯が入ったボウルの中に生筋子を投入し、手早くほぐしていきます。
お湯の温度は40℃程度が適温。冷えた状態のいくらをボウルに入れると温度が下がりますので、足し湯をすると良いです。
お湯に入れるといくらを包んでいる外側の筋や皮が熱で縮んでほぐしやすくなるので、簡単にほぐすことができるはずです。
細かいゴミなどが気になるかとは思いますが、ここはまずはばらすことに集中。
多少力が入っても簡単にはつぶれないので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。
上手にほぐす自信がないわって方は、いくらをほぐすための網が売られているので、そういった商品を使うのも手です。
専用の商品も売ってますが、専用のじゃなくてもそれっぽい網なら全然OKです。
生筋子を一度お湯につけてなじませてからおもむろに網の上にのせて、ぐりぐりとこすりつけるようにすればぽろぽろ取れます。
でも、網、なくても簡単にほぐせますので、1年目に手でやってみて「むずかしい」「臭くていや」だと思ったら網を買うと良いかも。
すすぎながらごみを取る
筋が外れたら一度水を切り、すすぎ用の水を入れます。
水を入れてぐるぐると回すと、白っぽい薄皮が水の表面に浮かんできますので、いくらをこぼさないよう気を付けながらざざっと流して捨てます。
すじの残りや血合い、浮いてきたゴミや薄皮なんかを捨てながら、3~4回水を入れ替えるようにして繰り返します。
すすぐ際には真水を使ってすすいでも良いですが、真水を使うと浸透圧でいくらが割れてしまったり、皮が固くなったりしてしまう場合があるそうです。
お手間でない方は、塩を溶かして海水に近い状態の塩水(もしくは塩入のぬるま湯)を使ったほうが、ぷちっとおいしいいくらが作れるかと思います。
いくらをほぐしてすすぐまでの時間は、できるだけ短いほうが、皮がかたくなりにくいとされています。
あまりたくさんの薄皮が残っていると、生臭さが出てしまいますが、100%取り除くのも不可能ですので、ある程度割り切ることも必要。
いろいろな方法がありますが、ご自身が「最も短時間でできそう」な方法を選ぶのがベストです^^
水気を切って5分ほど置く
汚れが取れたら、5分ほど時間をかけてしっかりと水切りをします。
水切りをちゃんとしておくことで、この後漬け込む調味料をしっかりと吸い込んで味のなじみが良くなります♪
画像では、とりきれなかった薄皮がまだ残ってますね。
取り除ける薄皮などがあれば、このときに手でつまんで捨てるのでも良いでしょう。
このとき、いくらはまだつやつやの色とは程遠く、濁ったようにも見えるかもしれませんが大丈夫です。
水が切れるとだんだんと色が鮮やかになってきますので、気にせず作業を続けましょう。
いよいよ味付け
用意していたタッパーにほぐしたいくらを入れ、用意しておいた調味料で浸します。
味付けの順番は、しょうゆ→酒+みりんという順番が良いといわれてますが、家庭用のいくらですし大して違いわからないので、いっぺんに入れても問題はありません。
調味料の量としては、いくらが浸る程度であれば十分です。
今回私は、醤油5:酒2:みりん1:水1ということで以下の分量でつくりました。
- 醤油250㏄
- 酒100㏄
- みりん50㏄
- 水50㏄
※水は念のため煮沸したものを使いましょう。酒とみりんと一緒に煮切ってもOKです。
漬け込むタイミングでは、いくらがしぼんでしまっているように見えるかもしれませんが、それでOKです。
3時間ほど冷蔵庫で寝かしておくと、いくらが調味料を吸ってパンパンの状態になってくれます♪
子どもも喜ぶいくらしょうゆ漬けのできあがり
今回は、だし醤油を使ったことで、まろやかで深みのあるイクラの醤油漬けができました♪
白ごはんとの相性も抜群です!
お昼ご飯のときは、これだけあれば大満足のランチが(笑)
夏の終わりから秋にかけての幸せなひと時でもあります。
大葉や刻み海苔なんかを乗っけると、より幸せ度が増します。
自家製いくらしょうゆ漬けの賞味期限は?
いくらのしょうゆ漬け、できればずっと長く楽しみたいものですよね。
賞味期限としては大体、つくってから4~5日程度がいいところかなと思っていたりもします。
5日を過ぎてもすぐに腐ってしまうというわけではないのですが、どうしても食感や味が劣ります。
1週間も過ぎれば、いくらの粒に弾力がなくなり、油が浮いたようなべとべととした質感になって来ちゃうんですね。なかにはつぶれてしまったいくらも出てきてしまうので、つぶれた皮も一緒に口に入ってしまい食感が悪くなります。
できれば遅くとも1週間前後で食べきるようにしたほうがよいですね。
もしもしっかりと密閉できる瓶などがあれば、3時間ほど漬けて味をしみこませた後、汁けをきって冷凍保存しておくという方法もあります。(容器は煮沸消毒してくださいね)
解凍後味は少し落ちる気はしますが、それでもおいしく食べられると思いますよ♪
[st-cmemo fontawesome=”fa-lightbulb-o” iconcolor=”#FFA726″ bgcolor=”#FFF3E0″ color=”#000000″ iconsize=”100″]追記:作ってから1週間後に食べてみましたが、まだまだぷりっぷりでした。ただし、作った当日と比べると皮が少し硬くなったかな?という感じと、口の中に皮が残るような感じが強くなりました。でも、それでもまだまだおいしく食べられそうです^^[/st-cmemo]
いくらの皮がかたくなってしまうのはどうして?
ご家庭でいくらのしょうゆ漬けをつくると、まれに皮がかたくなってしまう場合があります。
皮が口の中に残るのって食感も悪いですし、おいしさもなんだか半減してしまったように感じられますよね。
いくらのかわがかたくなってしまうのには、いろんな原因があるようですが、その原因に当たったとしても必ずしもかたくなるとは限らず謎の部分もあります。
とはいえ、かたくなる条件があるのなら、作る際に避けておきたいですよね?
いくらの皮が硬くなってしまう条件は以下の通り。
- 産卵間近の卵だった(11月頃の筋子にありがち、粒も大きめ)
- ほぐすとき長時間水(もしくは塩水)につかりすぎてしまった
- みりんの分量が多すぎるとかたくなりやすい
筋子の状態だとかたいかどうかはっきりとはわからないんですよね。(秋の終わりころの大きすぎるやつは怪しいけど)
最初からかたいやつはさすがにどうしようもないですが、使うみりんの量をセーブしたり、長時間塩水につけたりしないようにするくらいは何とかしたいですよね。
慣れるまではほぐしたりごみを取り除くのに時間が取られちゃいそうですが、1時間も2時間もつけたままにならなければ大丈夫だと思いますよ。
まとめ
北海道の季節の味覚、いくらのしょうゆ漬け。
今回ご紹介したレシピなら、しょっぱすぎないのでお子さんでもパクパク食べてくれるはずですよ^^
ばらしたり皮をとる作業は確かに面倒ですが、手作りならではのおいしさは他には代えられないものがあります。
簡単に作れるいくらしょうゆ漬け、生筋子が手に入るというかたは、ぜひご家庭でも作ってみてくださいね。
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